京都、宇治市は『宇治茶』や10円玉に描かれている『平等院鳳凰堂』が有名ですが、その、宇治駅の2つ駅隣の場所に、『黄檗(おうばく)』という駅があります。
この駅は、『黄檗山萬福寺』というお寺があり、このお寺を開いた方は、中国で僧だった方が、60代の時に、わざわざ日本まで来てくれて開かれたお寺だと言う。
なので、京都のお寺でも、最も中国らしいお寺。門をくぐると静かな中国のお寺に入ったような、そんなお寺です。
黄檗山萬福寺:おうばくさん まんぷくじ

そこから5分ほど歩くと辿り着くのが、黄檗山萬福寺。




このお寺を開かれた方は、隠元禅師で、中国にある『黄檗山萬福寺』の住職である。
その方が、日本から呼ばれて、60代の時に京都に来られてお寺をこの場所に開かれ、
場所が中国の元いた『黄檗山萬福寺』に似ていたので、宇治のこの場所も『黄檗山萬福寺』になったと言う話でした。
日本の京都のお寺をイメージして行かれると、一歩入れば、中国という感じなので、
京都のお寺巡りで旅をされる方は、この『黄檗山萬福寺』も行ってみると、同じ京都なのに、全く雰囲気が違っておもしろいと思います。




まず、三門をくぐり、まっすぐ進むと、『布袋様がお祀りされている天王殿』と『隠元禅師もいらっしゃる本堂の大雄寳殿』に繋がっているのですが、
お参りの仕方が間違っているのかもしれませんが、三門をくぐった斜め左に見えるこちらの開山堂からご案内します。
ちなみに菱形にかたどられたものがたくさん並んでいる道みたいなものがありますが、これは龍のウロコをイメージしていて、龍が通る道だそうです。
開山堂の門をくぐり、開山堂を上がると、右手に続く素敵な回廊があります。




歩いてすぐ庭に降りることができるようになっています。




とても広いわけではありませんが、雰囲気がとてもいいお庭です。(2020年6月撮影)




秋の時期は紅葉がとてもきれいでした。(2018年11月撮影)
また回廊に戻ると、鐘がありました。




こちらをボーン!っと1鐘つかせていただき・・・。
この辺りから禅堂への入り口がありました。
中には入れませんでしたが、秋の時期に、グミみたいな実が大量に落ちていました。
この実は小鳥たちがつついて落としているようですが、美味しいのでしょうか。




回廊沿いに歩いていき奥に行き、法堂前を通ります。
法堂前からは大雄寳殿の後ろ姿が見えます。




大雄寳殿(だいおうほうでん)は、大きなお線香があげれるようになっています。(正面から右の回廊を見た売店の方に、お線香の販売があります。)




天井は蛇腹天井と言われ、龍の腹を表しているとのこと。
この後ろ姿の戸は『桃』が描かれている『桃戸』と言って、萬福寺内でもこの桃を見かけることがよくあるのですが、桃の実は中国文化では魔除けとされているそうです。
そして、ここは萬福寺の本堂になります。
釈迦牟尼仏と両脇侍に迦葉と阿難と十八羅漢が祀られ、(中国は明の時代の仏像あり)
本堂の一番奥には、ひっそりと、このお寺を開かれた『隠元禅師』がいらっしゃいます。
そして、本堂の手前の天王殿では、布袋様・四天王・韋駄天がお祀りされています。
布袋様とはあの七福神で馴染みのあるあの方です!
七福神は架空の神とされていますが、七福神の中で唯一実在していた人物、
それが布袋様で弥勒菩薩の化身といわれています。
七福神がキャラクターになった姿が頭の中にあると、布袋像が怖くみえるかもしれませんので、怖がらないでくださいね。




そこには、紙に願い事を書いて、願い事の種類(?)に合う色の袋に入れるというものがあります。
皆様のお願い事を、布袋様はきっときいて下さっているのでしょう。




布袋様の絵馬もありました。
売店があり、布袋様が描かれた満腹饅頭も売っています☆
そこで『布袋みくじ』というおみくじを見つけました。




『っと、どれどれ?』っと私も1つ、引かせていただくことに。




見た感じ、なんかありがたい見かけ。




なんと、小さな『布袋様』が付いていました♪




そして、売店の斜め前あたりの場所にあるのが写真左上の、生飯台。
その後ろには、写真右の『魚梆』と言われる時報があります。
大きな木の魚。
これぞ、お寺等でよく見かける『木魚』の原型です。
この黄檗山萬福寺を開いた『隠元和尚』が中国よりもってきた一つとして、木魚があります。
今までなんとなく、『なぜこれは木魚と書くのか』という疑問の答えがここで解決いたしました!
魚が丸い玉を食べているのかなと思っていましたが、
この丸い珠は、『人間の煩悩の珠』で、
それを吐き出しているという姿。
軽い気持ちで見ていた自分を反省。
そしてもう一つ、奥に雲版という雲のカタチをしているものもあります。
どちらも勝手に鳴らしてはいけませんが、実際の音を聞けるQRコードがあるので、それで聞いてみてもいいかもしれません。




そしてこれは本来最初に載せるべきはずの手水舎。
大変失礼しました。
最初の三門を抜け、直進すると天王殿前に設けられています。
拝観料は1人あたり500円です。
時間は9:00から17:00までで、
16:30が最終受付となります。
普茶料理・黄檗山萬福寺精進料理はご馳走!




ここ、黄檗山萬福寺発祥の精進料理は、
中国精進料理を、日本人に合うようにされた精進料理の『普茶(ふちゃ)料理 』というもの。
日本三大精進料理と呼ばれる1つです。
なので、この辺りでは、『普茶料理』のお店もいくつかあります。




こちらの写真のお店は、萬福寺の総門を入るとあるお店です。
私は、このお店ではなく、『黄檗山萬福寺』の中にある、『黄龍閣』で、普茶料理をいただきに行ってまいりました。
この看板の奥に『黄龍閣』があるのですが、実はこのお寺から『いんげん豆』がもたらされたので、『いんげん豆太郎』というキャラが看板後ろにいました(笑)




普茶料理というものは、大勢で楽しむものとされ、複数人で行くと良いそうで、
2人以上の注文しか受けつけてくれないお店が多いですが、萬福寺内『黄龍閣』の普茶料理屋は、1人からでも食べることができるお弁当が用意されています。




これは2018年11月にいただいた『普茶弁当』
季節の食材をたっぷり使っているので、素材好き、自称グルメとしてはたまらないお料理。
茶団子の隣の蒲鉾に見えるピンクのものは、なんと、長芋の天ぷらでした♡
1つ1つが違う食材のお料理なので、飽きることなく、いただけます。
季節ごとに使う食材も変わるようなので、毎季節ごとに行って『普茶料理』を楽しむのも良さそう!っと思い、次の冬の季節にお邪魔いたました。




2回目は、友人を誘って、コース料理で。
コースは2名以上で予約可能です。
ここでは、料理ごとにお皿を変えるのではなく、この取皿2枚と、湯呑み1つでコース料理を全て取り分けて食べてくださいというものでした。




ボリューム満天のコース料理。変わり種が何種類か入っているので、お店の方の説明にまずドキッとし、会話も弾み、ワクワクしながら、いただきます。
そしてちょうど今、2020年はコロナウイルスが猛威を振るっている為、コース料理が現在受付していない状況で、メニューになく、特別メニューとしてお弁当を出されています。




普通はお弁当には、『もどき料理』が入っていませんが、この特別メニューには『もどき料理』が入って、更にボリューム満点!
楽しめます。




そして、今のご時世、コロナが猛威を奮っていて、このようなご配慮もいただきました。
ありがとうございます。
黄檗山萬福寺での普茶料理は3日前の朝までの予約制。
予約の日まで、(日数の)余裕がある時は、予約の葉書を送ってきてくださいます。
味も美味しいので、人をお連れしても喜んでいただけると思います☆
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